小論文過去問
「マナーについて」800字
解答例
私はマナーについて、なぜ必要であるかについて述べたいと思う。マナーは家族など小さな集団から社会という大きな集団まで、他者と円滑に関わっていくために必要なものであると考える。また、数あるマナーの中でも特に私が大切だと思うものは「挨拶」と「約束を守ること」である。
そのように考えた理由を以下に述べる。「おはよう」や「ありがとう」という言葉は、相手の存在を認めることであり、どんなに小さな約束でもきちんと守るということは信頼関係に繋がるからである。人によっては挨拶をしなくても相手に直接迷惑をかけるわけではないし、約束時間に遅れる時にはメールを入れるから構わないと考える人もいるようだ。確かにメールやチャットの普及とともに、実際に言葉をかけなくてもメール上で挨拶をしたり、遅刻の連絡もメールで容易にできるようになった。そもそも約束をせずに待ち合わせることも増えたのではないだろうか。コミュニケーションツールが挨拶や約束の補填ツールになっていることは否めないだろう。しかし私はそれでも実際に顔を合わせている時の挨拶や約束はメールによるコミュニケーションとは全く別のものだと考えている。いくらメールの絵文字で笑顔がついていてもそれを打っている本人が笑顔かどうかは分からない。しかし顔を合わせている時に挨拶の笑顔を見ていたり、約束を守る人だという信頼を得ていたら、実際に仕事をしたりチームで動く時にも円滑にコミュニケーションが取れると考える。
以上から、私はマナーというものは人と生身のコミュニケーションをとる中で必要不可欠であると考えるし、今後医療従事者として働く際にも挨拶や約束を守るという行動は当然必要であると考える。どのようなマナーもその基本となるものは相手への思いやりであり、思いやりの心を持って接すれば挨拶や約束以外にも自然とマナーのある人間になれると思う。私はそのようなマナーを身に付けた看護師になりたいと思う。
※小論文の解答例はあくまで看護専門学校入試向けに作成した例であり、書き手の人柄が伝わるようなやや易しめの文章を使っています。
解説
小論文は3段落構成を守れ!
基本の構成は、
1段落…問いに対する答え「主張・意見」を書け
この問題の場合、「マナーについて」に対する自分の答えをマナーの意味を述べるのではなく(みんなが知っている言葉なので)、その必要性と、自身が大切と考えるマナーの具体例を2点もってきている。
2段落…1段落の答えに対する「理由」「例」「解決策」「そこから学んだこと」を書け
この問題の場合、第1段落挙げた大切だと考える2つのマナーについてなぜ大切だと考えているかの理由を具体例を挙げつつ述べている。その中で説得力が増すように「譲歩説」を使って書いている。
「譲歩説」に関しては下のワンポイントアドバイスを読んでくれ!
3段落…まとめを書け。出だしは「以上より」などがしっくりくる場合が多い
「マナー」に関してのテーマは看護学校でよく取り上げられる。
当然、看護師としてのマナーを自覚してほしいからだ。
例えば、看護師としてのマナーとしては、
「病院内での挨拶」
「患者様には敬語を使う(これに関しては人によって賛否両論あると思う。がちがちの敬語よりも少し崩して患者さんと話したほうが距離は近くなると考える人もいるよね。実際の現場では「〇〇さん、またそんなことして~」みたいな会話をよく耳にするよね。しかし病院側はきちんとした敬語を使ってほしいという意思があることは知っておこう。)」
「ピアスをしない、腕時計をしない(ピアスは取れて落としてしまって、その後患者さんが踏んでしまってケガをしてしまう可能性があるから。腕時計も同様で作業をしている時に患者さんの皮膚にこすれてケガをしてしまう可能性があるからだ。)」
など様々なものが挙げられる。
なのでこのような学校側の出題意図をくみ取って、小論文の3段落のまとめとしては自分自身が医療従事者となった場合にもマナーは必要不可欠なものであるという風にまとめている。
類似のテーマ
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PL学園衛生看護専門学校「ルール・規則を守ることについて」
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奈良市立看護専門学校「若者のモラルについて」800字
阪奈中央看護専門学校「あなたにとってのおしゃれとは」800字→自分自身のためのおしゃれだけではなく、接する人の気持ちを考えたおしゃれという方向性にもっていくと、マナーのテーマと同じ扱いになるぞ。
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など
ワンポイントアドバイス
「譲歩節を取り入れろ」
人に自分の主張を伝えたい時に説得力を増すために使うものの一つに「譲歩節」というものがある。
「譲歩節」なんて難しい言葉で表現すると、えっ何それ?となってしまうかもしれないが、おそらく普段の会話で多くの人が知らず知らずに使っているはずだ。
例えば、人の悪口を言う会話を例に見てみるとしよう。
Aさん:「聞いてー、会社の上司さぁ、私に1日で例の資料作ってきてって急に言われて!腹立つくない?」
Bさん:「えっ、あの資料作るの1週間くらいかかるのにたった1日で?事前に言っとけって話やな!」
Aさん:「そうやろ? で私徹夜してその資料頑張って作ったの! で上司に渡したら、他の資料と間違えてその苦労して作った資料、シュレッダーにかけちゃったの!!」
Bさん:「うそ!ありえんくない!?」
Aさん:「確かに上司の気持ちも分かるで、忙しくてテンパってたんやろうな、でもそんな大切な資料ならもらってからすぐに別の場所に保管すべきじゃない?」
Bさん:「いやまじでそれやろ、、、ありえんな!腹立つよね!」
さて、この日常にありそうな会話の中で譲歩節は
確かに上司の気持ちも分かるで、忙しくてテンパってたんやろうな、でもそんな大切な資料ならもらってからすぐに別の場所に保管すべきじゃない?
の部分だ。
つまり譲歩節とは、自分の意見ばっかりを言うよりも相手の立場も分かっているよ、分かった上で私の意見を再度述べるという手法だ。
こっちの方が、相手のことも理解した上で自分の主張を言ってきているから説得力が上がるだろ?
なんてことはない、普段から使っているものなんだな。
小論文の中に取り入れる際は、以下のキーワードを使えば良い。
「確かに〇〇の意見も分かる。〇〇の立場に立ってみると………だろう。しかし私は、△△である。」
〇〇→自分と反対派の意見
………→この部分は一言で終わってしまわずに、数行くらいは展開すべき(一言だったら結局相手の立場をそこまで理解していないことになる。ただし、書き過ぎも自分の意見に戻ってこれなくなってしまうので×だ。)
△△→自分の主張
(※多くの実際のテーマの場合、しかしと私の間に、しかしこれは□□を行うことで解決されることであり、私は△△である。というような打ち消しを入れるとしっくりくる場合が多い)
是非今後使ってみてほしい。